薬剤師『単発』派遣に強い3つの会社を比較調査 

今回の記事を担当させていただく私はいわゆる派遣薬剤師です。

すでに派遣8年目なので、派遣枠で言ったら小さなベテランの領域になるかもしれません。

私は派遣薬剤師に加えて今回のテーマでもある『単発派遣』をしているのですが、これまでの経験や今回の調査で分かったことなどを共有したいと思います。

急な欠員が出て薬剤師を探している調剤薬局の採用ご担当者も参考にしていただけたら幸いです。

本題の前にランキングサイトに要注意

本題に行く前に、この場を借りて申し上げたのが、少し怪しいサイトが多すぎる点について。

私は今回の記事を書く前に、他のサイトやブロガーの皆さんって薬剤師の単発派遣についてどんなことを書いているのかなとネットで下調べしました。

すると、検索エンジンの上位には毎回ランキングなるものが出てきて、薬キャリ、マイナビ薬剤師、ファルマスタッフなどが毎度ランクインしています。結論を先に申し上げますと、そもそもこれらの求人サイト運営の薬剤師紹介会社では単発派遣を扱っていません

電話やメールフォームで登録したところで、「弊社は単発派遣はやっていないんです」と言われて終了です。

確かにどの紹介会社も本当にいい会社ですが、マイナビ薬剤師はそもそも派遣自体扱っていないし、ファルマスタッフは派遣は扱っているものの、単発派遣は対応していません。

薬キャリは単発を扱っている求人サイトを含め複数社の求人サイトを掲載しているという点では間違いではないのですが、単発派遣案件に関してはライブ感覚で更新されて行くので、薬キャリにはリアルの単発派遣求人は掲載されておらず、ただ別の提携会社にパスするだけです。

今回の記事ではメジャーマイナー問わず、正しい情報で単発派遣会社をご紹介していきます。

 

最近の単発派遣は非常に働きやすい

昔と比べて労働者派遣に対する法律は厳しくなったものの、システムプログラグラムの向上もあってか単発のお仕事情報は手に入れやすく、応募から勤務までスムーズに行えるようになったなぁといった印象です。

以前は単発派遣の求人を探すのは少し面倒で、直近の募集状況をメールなどでいただき、その中から選んで連絡するといったような流れでしたが、今は派遣会社運営のウェブサイトに掲載されている『単発派遣カレンダー』で空いている日をクリックすれば、どの薬局でどの時給で募集があるのかが一目でわかり、そのまま応募までできます。

 

参考までにこれは薬剤師の単発派遣を扱っているアプロ・ドットコムの管理画面です。

カレンダー上で希望する日付をクリックし、勤務希望する都道府県を設定して、「この条件で検索する」をクリックすると、以下のように指定した日に募集がある薬局が列挙されます。

 

詳細ボタンを押せば薬局ごとに気になる詳細な情報も確認できてとても使いやすく便利です。

また、不定期にメールマガジンで単発派遣の求人情報が送られてくるタイプもあります。

上の例は株式会社パーソナルアシストが運営する「薬剤師アシスト」からのメールマガジンです。

こちらの会社も単発派遣を扱っており、不定期でこのようなメールが送られてきます。もちろん、登録すればアプロドットコムからも同様な情報がメールが送られてくる設定にすることができます。

後ほど、どの派遣会社がどのようなサービスをしているのか、給与面をも含めてご紹介したいと思います。

 

薬剤師の単発の派遣を扱う会社はそんなに多くはない

単発の派遣って聞くと、働く側の薬剤師としては、暇な時にさっと働けて、小遣い稼ぎのような感覚ですよね。

しかし、それを仲介する派遣会社は薬局からの依頼を1日単位(もしくは時間単位)で受け入れて、その求人情報を整理して自社ウェブサイトやメルマガで公開。そして、応募者からのレスポンスに対してクライアント側に確認を取り、また応募者に結果を返す。さらに、単発初めての薬剤師に対しては面談を行なったり単発派遣の流れを説明したりと、結構手間が多く、運営する派遣会社にとってコストパフォーマンスがとても悪い。これら作業が毎日行われます。

もちろん、普通の長期間のレギュラー派遣より単発派遣の方が利益率自体は大きいし、単発派遣を行う薬剤師が今後正社員などを希望する場合は自社の顧客となることもあったりと、派遣会社側にもそれなりにメリットがあります。

ただ、薬剤師紹介会社自体が大きくなってくると、利益をより大きく出すために、コストパフォーマンスの悪い単発派遣はやらないことががほとんどです。

最近ですと、2019年3月31日に大手薬剤師紹介会社クラシスの運営する『ヤクジョブ』が単発派遣を終了しています。知らなかった人も多いのではないでしょうか。

ヤクジョブHPより

 

要するに、単発派遣を希望するのであれば、大手薬剤師紹介会社ではなく、『単発派遣』を得意とする薬剤師派遣会社に登録する必要があります

そこで、数多くある薬剤師紹介会社運営の求人サイトの中から、単発派遣を行っている会社のみ抽出し、その中から求人件数や給与などを材料とし、私が利用してよかった派遣会社をご紹介したいと思います。

 

単発派遣を行う4つの薬剤師派遣会社

どの薬剤師でも気軽に利用できて法律もしっかり遵守し、かつ比較的高い給与を提供するような総合的にオススメできる会社(求人サイト)をご紹介します。(*単発派遣に関する法律に関しては下記薬剤師『単発』派遣の法律に関してでご紹介しています。)

特に、『アプロ・ドットコム』と『ファル・メイト』は利用して本当に良かったと思います。私は複数の派遣会社に登録していますが、最終的にはこの2社を利用し、単発派遣の希望日に家から近く報酬条件のいい求人があった方を利用しています。また、頻繁に利用していると、時給も少し調整してくれたりもしますよ。

一応、お互いの会社には併用していることを秘密にしていますが、もちろんバレても問題ないので、まずこの2社は登録マストだと思います。

 

1.  アプロ・ドットコム(株式会社アプロ・ドットコム)

記事内でも少しご紹介しましたアプロ・ドットコムの特徴は何と言っても、単発派遣求人が非常に多いカレンダー検索ができる時給が高め求人のプレミアムメルマガ配信を行なっていることです。

特にカレンダー検索は非常に求人が検索しやすいのでとてもオススメ。実績もあるのでコンサルタントが単発派遣に手慣れており、応募から勤務までスムーズに行うことができます。

求人件数は単発派遣会社で最も多く、給与も時給3,000円と高めの設定ですが、さらに調整してくれる場合もあります。直前の急募案件などでは時給3,700円〜の募集もあります。

正直、単発派遣に関してはこれ以上に求めることはないと思います。

注意!
現在コロナ感染症蔓延の影響で派遣求人が著しく減少しています。
現在、アプロ・ドットコムでは正社員求人・パート求人にの紹介に注力しています。

 

2.  ファル・メイト(株式会社ファル・メイト)

こちらファル・メイトもアプロドットコムと並んで非常にオススメする派遣会社です。

ファルメイトの仕様もアプロドットコムと同じで、カレンダー検索、メルマガ配信に対応しています。単発派遣求人数はアプロ・ドットコムと比較すると少し劣るところかと思いますが、最低時給2,800円以上を保証していますので、それ以下の時給になることはありません。実際は調整してくれてそれ以上の時給になっていることがほとんどです(3000円以上が多い)。時給3,250円の単発求人も頻繁に出ます。

最近では、LINE@を利用した単発派遣紹介も行っているので、EメールよりLINE派の薬剤師の方には非常に使い勝手のいい通知方法です。(もちろん、通知OFF機能もあるので、単発派遣を利用しない時期には通知OFFにするこが可能です。)

コンサルタントもものすごく親切で、アットホームな印象です。

 

3. ファーマプレミアム(株式会社ハイペリオン)

ファーマプレミアムの募集様式もアプロドットコムやファルメイトのようにカレンダータイプで検索することが可能ですが、検索条件によって一般の派遣が混ざってきたりと少し分かりづらい仕様です。通常時給3,000円ですが、地方になると少し高額な求人もあるようです。これは上記3社と同じです。

実は私はこちらの会社をまだ利用したことがないのですが、今度潜入勤務して、結果を報告したいと思います。(ネットには信頼度の低い口コミしかなかったので実際に体験してみますね。)

実際に利用してみましたが、ほとんど上記3社と同じ流れです。ただ、ネットに掲載されている求人情報は少し古いようで、メールマガジンでのやりとりがメインのようです。

また、薬局が緊急時の場合、高時給での案内がメールできます。前日夜の場合や当日に連絡もくる場合があります。

まだ小さい会社なので、社保に加入するには30時間以上 / 週の勤務が必要です。

 

4.  薬剤師アシスト(株式会社パーソナルアシスト)

薬剤師アシストでも単発派遣を行っています。知らない人も多いのではないでしょうか?

こちらのサイトはタグでカテゴライズされているのが特徴的で、「曜日指定」や「薬歴の媒体指定」などができます。

カレンダー検索機能はないのですが、不定期で単発派遣案件のメルマガが配信されてきます。求人数は上記に比べとても少ないのですが、時給は通常3,100〜3,200円。一人薬剤師案件ですと3,200円〜3,250円が相場となっています。勤務数増やして社保に加入すると、時給3,000〜3,050円での募集が多いです。なお、季節や地域で変動します。

注意
薬剤師アシストは2020年8月末日をもって薬剤師派遣事業から撤退することになりました。今後、派遣事業は同じ総合メディカルグループの「総合メディプロ」が引き継ぐ形となります。なお、単発派遣は行っておりません

 

細かく言えば、今回ご紹介した4 社以外にも単発的に薬剤師派遣を行う派遣会社は個人事業などを含めいくつか存在します。(個人事業に関しては派遣事業に登録しておらず違法的に行なっていることもあるので注意が必要です。)

また、求人サイトによっては一般の派遣求人の中に「単発(1日〜)から勤務可能です!」と言ったような募集を見かけることがありますが、勤務日が記載されておらず、申し込んでも「その日は募集ないです」という場合がほとんど。

結局は、他の案件を紹介する釣り案件にすぎないので、単発で勤務するなら単発派遣を扱う会社に登録するのが鉄則です

 

薬剤師『単発』派遣の法律に関して

単発派遣で働くには条件があるので注意

これまでオススメの単発派遣会社をご紹介してきましたが、実は2012年10月の労働者派遣法改正により、「30日以内の短期間の労働契約が原則的に禁止」になっています。

(日雇労働者についての労働者派遣の禁止)
第三五条の四 派遣元事業主は、その業務を迅速かつ的確に遂行するために専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務のうち、労働者派遣により日雇労働者(日々又は三十日以内の期間を定めて雇用する労働者をいう。以下この項において同じ。)を従事させても当該日雇労働者の適正な雇用管理に支障を及ぼすおそれがないと認められる業務として政令で定める業務について労働者派遣をする場合又は雇用の機会の確保が特に困難であると認められる労働者の雇用の継続等を図るために必要であると認められる場合その他の場合で政令で定める場合を除き、その雇用する日雇労働者について労働者派遣を行ってはならない。

「え、じゃあ1日〜数日勤務の単発派遣だと働けないではないか。」

と思いますよね。

しかし、例外として以下の4つの条件のいずれかに該当すれば、労働契約が30日未満でも働くことが可能と定められています。

単発派遣で働くための4つの条件

1:60歳以上である
2:雇用保険適用外の学生(専修学校・各種学校を含む)である
3:本業の年間収入の額が500万円以上である
4:主たる生計者でなく、世帯の年間収入の額が500万円以上である

もう少し細かくいうと、この4つの条件が適用されない職業が定められているのですが、薬剤師はこの適用外の職業に該当しないため、まずはこの4つの条件に従う必要があります。

とりあえず、「年間500万円以上の収入がある」または「60歳以上」であれば、問答無用で『単発』の派遣をしていいってことです。

 

ただし、なかには給与が比較的低い病院の勤務、パート勤務、大学院生などの理由で年収が500万円未満の薬剤師もいると思います。むしろそういう人の方が、隙間時間に少しでも多く稼ぎたいのではないでしょうか。

実はこの法律にはいくつか抜け道があって、上記4つの条件に該当しない人でも単発派遣で勤務することが可能です。

 

派遣法の4つの条件に該当しないが、単発派遣をする方法

その1:メインで働く会社も単発をする派遣会社にする方法

これは当たり前といえば当たり前なのですが、通常勤務(社保の適用する期間)をアプロ・ドットコムなどの派遣会社にして、追加で単発派遣を入れる方法。

ただ、わざわざそのようなことをしなくても、派遣薬剤師していれば年収600万円以上は軽く越えるのでそもそも4つの条件に該当するので問題なく単発派遣をすることが可能です。

 

その2:派遣会社と31日以上で契約社員となる方法

どちらかというと、こちらがちょっとした裏技です。

少し分かりにくいので、例を挙げますと、雇用契約自体を4月1日〜5月1日まで(31日間)にして、数回にわたり勤務するというもの。

つまり、派遣会社と31日以上の契約を結ぶことで、単発派遣に該当しない、長期間の派遣とみなすという方法です。

 

ただし、厚生労働省のウェブサイトには以下のように記載があり、あまりにも勤務日数が少ないと労働者派遣法に抵触する恐れがあります。このことに関しては事業者側の判断によりますので、労働者側は気にしなくて問題なく、労働者側が違反していることにはなりません。

労働者派遣法の改正 改正に関するQ&A

Q.(問4)例えば、雇用期間が31日以上の労働契約を締結しているにもかかわらず、就労日数が1日しかない、あるいは契約期間中の初日と最終日しか就労日数がないといった場合は、明らかに「社会通念上妥当」と言えないと考えられるが、そのような理解でよいか。

A.(答)そのようなご理解でよい。

引用:厚生労働省ウェブサイトより抜粋, H31, 4,16時点

上記では法律に基づいて説明しましたが、実際は厳密に法律に遵守することはほとんどありません。特に前年の年収を証明する書類などを確認せずに「誓約書」なるものにサインして勤務する事になるでしょう。

つまり、ほとんどの薬剤師が『単発派遣で働くための4つの条件』に適合する形で「単発」勤務する事になります。

 

まとめ

今回の記事では、薬剤師の単発派遣についてと単発派遣を扱うオススメの派遣会社についてご紹介しました。

単発派遣で働くには派遣に関する法律が関係してきますが、とりあえず信頼できる派遣会社に丸投げすれば大丈夫。プロの単発派遣専門のコンサルタントがどうにか調整してくれます。

薬剤師派遣会社(単発)

今回ご紹介した現在も稼働している単発派遣会社のリンクです。ご登録も可能です。

もし単発派遣だけではなく、もう少し長期に渡った派遣薬剤師をしてみたいという方はこちらの記事も参考にしてください。読みやすいアニメ会話形式の記事になっています。

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