薬剤師もフリーランスで働く時代に!自由に大きく稼ぐ新しいスタイル

フリーランスの薬剤師』に出会ったことはありますか?

webエンジニアやデザイナー、翻訳家、旅行ライターなど、近年では様々な職種においてフリーランスで働く人が増えてきてきました。

医療業界では、米倉涼子さん演じるテレビドラマ『ドクターX  大門未知子』の影響で、フリーランスで働く医師が存在することが世間に知られてきましたが、我々薬剤師はいかがでしょうか。

(時々、派遣薬剤師のことをフリーランスと言う方もいらっしゃいますが、ここでいうフリーランスの薬剤師は派遣薬剤師とは異なることとします。)

正確なデータが存在しないので、実際のところは分かりませんが、フリーランスとして活動されている薬剤師は薬剤師全体の1%にも満たないと思います。

しかし、時代の流れから考えれば、近い将来、薬剤師はじめ医療業界においてもフリーランスで働く人が一定数増えてくるでしょう。

この「フリーランス薬剤師」「フリー薬剤師」という、全国的にあまり例のない題材なんですが、変わった薬剤師の多い当編集部では、最も得意とする分野です。

具体的な情報が全くと言っていいほど出回っていないので、我々自身の経験なども織り交ぜながら、フリー薬剤師になるとどんなメリットがあるのか、どうやってフリーランスになるのか、年収はどれくらいになるのか、個人事業主としてしなければならないこと、税制対策など、少し具体的に解説したいと思います。

(ちなみに、最近では多くのwebサイトやブログで『フリーランス薬剤師』の題材が取り扱われていますが、フリーとして実践されていない架空の内容や当記時からの盗作が大変多いです。フリーランスの薬剤師を題材にしたオリジナル記事は2018年7月に公開された当記事です。不明な点がございましたら「お問い合わせ」よりご連絡ください。)

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そもそもフリーランスの薬剤師とは何??

ソファの上でパソコンをするフリーランスの女性

『フリー薬剤師』または『フリーランスの薬剤師』というのは、そもそも辞書でも出てこないワードなので、明確な定義はなく、我々フリーランスの薬剤師(フリー薬剤師)の間で、自称している言葉に過ぎません。

だいたいの予想はつくと思いますが、『フリーランスの薬剤師』というのは、特定の企業や組織に所属しておらず、自らの薬剤師にできる技能や知識を提供することにより社会的に独立した『個人事業主』もしくは『個人企業法人』ということになります。

いまいちわかりづらかったでしょうか?

要するに、フリーランスではない薬剤師は会社から給与をもらっているいわゆるサラリーマン。

一方でフリーランスの薬剤師は、雇用されている会社が存在しないので、会社から「給与」そのものが発生しません。有給もありません。その代わり、クライアント側から働いた分もしくは契約に応じた報酬をもらいます。

ちなみに近年増加している『派遣薬剤師』はフリーランスの薬剤師(フリー薬剤師)ではありません

なぜなら、派遣の薬剤師は派遣会社に所属しているためです。

派遣会社から給与をもらっていますし、雇用保険にも加入しています。社会保険、厚生年金のの保険料を会社に折半してもらっていますよね。

さて、このフリーランスがどういうものか何となく理解できたと思いますが、このフリーランスの薬剤師は一体どこで、どのように仕事を得て、どのくらいの収入を得ているのでしょう。

 

どこにいるの?フリーランスの薬剤師が少ない理由

お薬を渡す女性薬剤師

本題に行く前に、なぜこの『フリーランスの薬剤師』という存在が世の中に浸透していないのか、いくつか考えられる理由を挙げてみました。

 

フリーランスの薬剤師が増えない理由
  1. 「フリー薬剤師」の数自体が少ないので、働き方自体を知らない人が多数
  2. 薬剤師のほとんどが安定志向なので、不安定な「フリーランス薬剤師」や「派遣薬剤師」になる人が少ない
  3. 多くの薬剤師向けweb サイト(メディア)は薬剤師が運営していないので、フリーランス薬剤師のようなマイナーな薬剤師情報に乏しい
  4. 薬剤師がフリーランスにシフトしてしまうと薬剤師の派遣会社の利益が減少してしまうので、派遣会社からの情報も乏しい
  5. 稼げるとわかっていても、実際行動に移す薬剤師がいない

挙げればきりがありませんが、とりあえず根本的にフリーランスの働き方を知らない薬剤師がほとんどというのがあって、一方で働き方を知った少数派の中においても実際にフリーランスで働こうとする人がいないというのがフリーランス薬剤師がいない結論かなと思います。

 

実際私も、フリーランスの薬剤師がいるなんて思っていませんでした。

情報自体が世間に出回っていなかったですし、知らないのは当たり前だったと思います。

そんな何も知らない私がなぜフリーランスの薬剤師になったのかはもう少し順を追ってお話ししたいと思います。

まずは、フリーランスの薬剤師になるメリットとデメリットです。これらを知らないでフリーランスになるのはただのリスクでしかありません。

 

フリーランスの薬剤師になるメリットとデメリット

フリーランスになると働き方に自由さが出て、うまくいけば収入も増えてくるのでは?と想像できますが、対照的にデメリットも多く存在します。

全てを把握せずにフリーランスにってしまうと後で面倒なことになりかねませんので、表裏を十分に理解していただけたらと思います。

フリーランスの薬剤師になるメリット

メリットと書かれた付箋

細かいことをあげればキリがありませんが、私がフリーランスの薬剤師でよかったなと思うことをいくつか挙げてみました。

場所を選ばず、どこでも働くことができる

これが、世間一般のフリーランスのイメージに近いかもしれません。会社や店舗など固定の働く場所がない、いわゆる『ノマドワーカー』という働き方です。

自宅やカフェ、コワーキングスペース、旅行先のホテル、ゲストハウスなどパソコンとWi-Fiさえあればどこでも働けるという現代のスタイル。

ただし、この働き方は調剤薬局やドラッグストア、病院で勤務する薬剤師としては少し難しいかもしれません。

私が知っている薬剤師や看護師のノマドワーカーの仕事のほとんどはライターです。製薬会社や広告代理店、インターネットメディアの運営会社から依頼された仕事を引き受けて文字にするような仕事です。

あまりに専門的な案件ですと、参考にする専門書がたくさん必要になってくるので、全国自由に移動するというより、どこかに拠点を置いて仕事をする方が多い気がします。

このような仕事では、フリーランスにいきなりなれるというわけではなく、数年間医療系出版社の編集部や製薬会社をクライアントとするような広告代理店などでライターとして経験を積み、その後独立してフリーランスになります。

英語の文献もたくさん読むことになりますので、比較的報酬は高いですが、知識やスキルが問われる職種となります。

一方、医療系インターネットメディアの場合、クラウドワークスランサーズなどのクラウドソーシングサービスに仕事を依頼することもあります。

したがって、広告代理店などで実務経験のない薬剤師の方でもそれらのクラウドソーシングサービスに登録すればライティングの仕事をすることが可能です。ただ、仕事自体もそれほど多くなく、報酬自体も極端に高くないので、副業として行う薬剤師が多いです。

 

「実質の」収入がかなり高い

職種や勤務時間、ギャラにもよると思いますが、サラリーマンの勤務薬剤師の時に比べ、はるかに得るマネーが多くなります。

もちろん、売り上げた利益にもよるのですが、サラリーマンとの大きな違いは様々なものを経費として計上できることです。

例えば、薬剤師のメディカルコピーライターなどの場合、自宅を事務所として使用すれば、その何割かを地代家賃として経費にすることができます。

それだけではなく、遠方のカフェで仕事をした場合や(場所代として最低限の費用)、仕事に必要な書籍を購入した場合など、全て必要経費として計上することが可能です。

経費にするということは、すなわち納税すべき収入を適正に抑え、節税するということ。

調剤薬局やドラッグストアー、病院で勤務する薬剤師も同様で、クライアント(薬局)との交際費(飲食代や打ち合わせなど)や勤務場所への交通費、お車代など、その仕事に必要であれば、全て経費となります。

もちろん契約に交通費も含まれていたら、経費とすることはできませんが(むしろそっちの方が良いですね)。

とりあえず、適正な節税対策により、サラリーマンの収入より実質手元に残るお金が多くなることが多いです。もちろん多く稼いだ場合に限りますが。

実際のフリーランスの薬剤師の収入はどのくらい?

この記事を読んでいる人の多くはライターではなく、主に調剤薬局、ドラッグストアー、病院勤務の薬剤師だと思います。

なので、私の過去の例を用いて、フリーランスの薬剤師(調剤薬局勤務の場合)の収入はどれぐらいになるか具体的にご紹介します。

私は10年ほど前に、フリーランスの薬剤師として調剤薬局で勤務していました。

1日8時間週5日勤務して、年商1300万円程度。これはあくまでただの勤務薬剤師です。1時間6000円の契約で、交通費も別途支給でした。

別の仕事があり、実際には働けなかったのですが、時給8000円でもいいからきてくれ〜と地方薬局の社長さんに依頼されることもありましたので、かなり薬剤師バブルが起きていたと思います。

最近でも時給6000円で働いている薬剤師の話を耳にするので、そんなに状況は変わっていないと思います。

結論として、様々な要素が重なり、フリーランスの薬剤師の実質の収入はサラリーマンと比較して大きくなります。

後ほど、その具体的なカラクリと時給アップ方法について解説します。

 

時間の縛りがなくなる

時間の縛りがなくなるというと、少し語弊があるかもしれませんが、職種によっては仕事と休みの時間をフリーランスではコントロールしやすいと思います。

例えば、フリーランスの薬剤師ライターをしていると「納期はいつまで」という締切日があるだけなので、それに間に合いさえすれば、いつ仕事しても、いつ休んでも構いません。

平日の空いている日にディズニーランドにだって行けちゃいますね。

一方で、薬局や病院で働くフリーランスの薬剤師はクライアントの営業時間に合わせて勤務するのでライターのような自由時間はありませんが、契約時に勤務時間の条件を提示すれば柔軟にシフトを組むことが可能です。これは派遣薬剤師と同じです。

 

薬局経営に乗り出すきっかけとなる

フリーランスになると会社員の時と異なり、年間の所得を税務署に報告しなければなりません(いわゆる確定申告)。

フリーランスすなわち個人事業主はすでに事業を始めているということ。いかに事業の利益を出すために、経費にできるものとできないものを調べて行く過程でもっと利益を出す仕組みはないかと考えたり、別の事業を考え出します。

当然、調剤薬局の開業にも結びつくわけで、ある程度仕組みを理解しておけば、今後税理士とのやりとりもしやすくなります。

さらに、フリーランスや派遣薬剤師としていろんな人を募集する個人薬局を転々とすると、薬局の譲渡を考えているオーナーに出会うことがあります。

これって、会社員の薬剤師にはないものすごいメリットだと思います。

もし薬局の譲渡を専門とする仲介業者を挟んで薬局を購入することになると、薬局の規模や状態、条件にもよりますが、安くてもおよそ数百万円程度の仲介料を必要とします。(旨味のない案件は仲介料がない場合もあります。)

過去の私の経験ですが、薬剤師2人体制の小規模な薬局を仲介業者さんの紹介を通じて購入しようとしたところ、「この薬局は伸び代がある」とのことで、譲渡料と別に1500万円の仲介料を提示されたこともあります。

大手ならまだしも、個人が営業権と合わせて数千万の借金をするのはなかなか苦しいところかと思います。

一方で、フリーランスとして働き、出会ったオーナーと直接譲受することになるので、無駄な仲介料を支払う必要がなくなり、安く、スムーズに薬局を引き継ぐことが可能となります。

 

フリーランスの薬剤師になるデメリット

デメリットと書かれた付箋

当然ながら、フリーランスの薬剤師にはデメリットも多く存在します。私の感じたデメリットをいくつかご紹介したいと思います。

収入が不安定

当然ながら、フリーランスになると売り上げとなる案件を自ら確保しなければなりません。

ライターの場合、以前勤めていた会社のコネクションでデビューしたての頃は仕事をもらうことも多くなりますが、その他は自ら獲得しなければなりません。

広い人脈や、知名度、自らメディアに露出するスキルがないと安定した収入を得ることは非常に困難です。

ただし、経験と実績を継続して残していけば、自然と案件を依頼されることも多くなり、多忙になりますが継続して収入を得ることができます。

 

一方、フリーランスの調剤薬局薬剤師の場合はどうでしょうか。

調剤薬局の場合、最初は派遣薬剤師で勤務してその派遣先のオーナーと交渉してフリー契約を結ぶことが多くなります。(いわゆる業務委託契約)

しかし、海外への長期旅行をするために一度契約を解除して職場を離れると、海外から帰ってきた頃にはすでに別の薬剤師が働いています。

つまり、一度契約を解除すると、またフリーランスの薬剤師をする際に、別の契約先を自ら探す必要があるということです。予想はつくと思いますが、ゼロの状態から、フリーで売り込むのは非常に困難です。この場合、手っ取り早く一度派遣薬剤師に戻って仕事を探すことになります。

ただし、職場やオーナーからものすごく好かれると、長期旅行から帰ってきても席を空けて待ってくれる場合もあります。このことに関しては、後半に詳しくご説明します。

 

有給もない、福利厚生もない

フリーランスの薬剤師には、正社員の薬剤師や派遣薬剤師のように有給休暇や退職金、その他会社独自の福利厚生や産休、育休はありません。

薬剤師業界において退職金ってあまり期待できないですけど、正社員や派遣薬剤師なら毎年あるはずの有給休暇がないのは結構損した気分ですよね。

ちなみに退職金に関しましては、『小規模企業共済制度』というものがあり、事業を廃止した時に掛け金に応じて共済金がもらうことができます。この掛け金は全額所得控除されますので、すでにフリーランスでご活躍されている薬剤師の方は入っているかもしれません。

 

社会保険問題(医療保険、厚生年金、介護保険)

人によってはこれがフリーランスの薬剤師最大のデメリットと言えるかもしれません。

フリーランスの薬剤師は会社に所属していないので、基本的にサラリーマンが入る厚生年金保険に加入できず、国民年金保険(いわゆる基礎年金)に加入することになります。(例外はあります)

ご存知の通り、基礎年金のみの場合は厚生年金より納める保険料は低くなりますが、厚生年金は多くの場合、企業と労働者が保険料の負担を折半しているので、実質の労働者の負担は軽くなります。

つまり国民年金保険の場合は、保険料の負担が多く、老後の受給額は少なくなります。

 

医療保険に関しても同様で、フリーランスでは保険組合や協会けんぽが運営する健康保険(通称『社保』)ではなく、各自治体が運営する国民健康保険(通称『国保』)に加入することになります。

国保は被保険者の年収に基づいて保険料が変わってくるのですが、それに加え、自治体によっても保険割合が異なってきます。保険料が高い自治体と安い自治体では1.5〜2倍の差額が生じることも。

また、国民健康保険料は所得税や住民税とは異なり、 扶養控除や社会保険料控除が認められないだけでなく、 扶養人数が多いほど高くなります。

さらに、40歳~64歳は介護保険料を請求されるため、 保険料の高い地域の場合、年収の20%以上が国民健康保険料という、生活する上で非常に厳しい結果になる場合もあります。

社保のように今まで当然のようにあった保険料の会社折半が全くないので、フリーランスの薬剤師が負担する保険料は高くなることが多い。

薬剤師国民健康保険

通常の国民健康保険の他に、各都道府県の薬剤師国民健康保険組合が運営する『薬剤師会国民健康保険』というのもあります。

薬剤師国民健康保険の保険料は一人当たり20,000円以内に収まり非常に安価ですが、薬剤師国民健康保険に加入するには各都道府県の薬剤師会に加入しなければならないので、別途費用が必要になります。

入会金が非常に高いためフリーランスにはあまりお勧めできません。

フリーランス薬剤師でも厚生年金保険・健康保険(社保)に入る方法

ご紹介によって加入可能な健康保険組合ではありますが、人事業主(フリーランス)が厚生年金保険および健康保険(社保)に加入できます

フリーランス(薬剤師以外も含む)の方々が集って運営する協会の理事になることで、健康保険や厚生年金の恩恵を受けれるというもの。この協会の会費は月額38,500円(変動あり)でその中に厚生年金保険と健康保険(社保)の折半分が含まれます。

確定申告した前年の所得が290万円以上(パート薬剤師でも簡単に超える)ですと協会に入った方が国保や国民年金保険を支払うより保険料が安くなります。

仮に前年度の年収が800万円だとしたら、国保+国民年金保険では6〜8万円ほど保険料がかかるのでその差は非常に大きいです。

もちろん会費は全額経費になるので、多くのフリーランス薬剤師にご紹介したい方法です。特にフリーランスのエンジニアが多く加入しています。

詳しくは協会の窓口が電話で丁寧に説明してくれますので、もし興味がある方はお問い合わせ下さい。協会の窓口を直接ご紹介いたします。(フリーランス用の協会に興味ありますと言っていただければOKです。)

 

雇用保険に入れない、ということは・・・

雇用保険とは、会社に雇用される人の生活の不安さを少なくするための制度です。

会社の倒産やリストラなどにより、職を失ったり、病気や出産で仕事を休んだりすると、給与が支給されなくなるので、そういった雇用される人を保障する制度です。

そもそも自らが事業主であり、雇用する立場のないフリーランスの方は、雇用保険適用事務所で働いていることにならないので、雇用保険に入ることはできません

すなわち廃業しても、失業手当がもらえないということです。

ただし、近年政府が、フリーランスを対象とした団体保険を創設する動きを見せています。損害保険会社と共同で行い、多様な働き方を支えるために出産や失業の際に、所得保障を受け取ることができる制度です。今後政府の発表に期待します。

 

確定申告を自分で行わなければならない

会社員の場合は基本的に年末調整を会社側が行ってくれて雇用者は特に何もすることはありませんでしたが、フリーランスになると全て自分で確定申告に必要な帳簿を作成し、税務署へ報告しなければなりません。

株式やFX、不動産収入がある場合はすでに個人での確定申告の経験があるかもしれませんが、ここでいう確定申告は開業による『青色申告』のことです。

なれない1年目は自分で行うのはそこそこ骨の折れる作業ですが、一度経験しさえすればなんということもないものです。

最近では会計ソフト(freeeやよいの青色申告オンラインなど)の進歩により、帳簿作成が非常に簡単になっています。

 

メリハリをつけれない人は休みがなくなる

フリーランスの薬剤師特にライターの方に多いのですが、仕事のONとOFFを切り替えられなかったり、妙なこだわりが強すぎると、なかなか休めず、体力的にしんどくなります。

「今ある仕事を全部早くやらなければならない」や「もっといいものができるはず」などと考えると、いつまでたっても仕事の終了の合図全く来ない。結局1週間ず〜っと仕事をしていたりします。

(私なんですけどね。リフレッシュすればいいのでしょうけど、広告代理店勤めの名残がなかなか抜けないんです。)

会社勤めをしていると、通常であれば、1週間に2回定休日がやってきます。この強制力が思いの外良かったりする。

 

社会的信用性はそれほど落ちない?

時々、フリーランスになると社会的に信用を失うという声があるのだが、薬剤師の場合は少し違うように感じます。

会社員ではないのでクレジットカードが作れないということや、賃貸マンションの契約時の審査が通りにくくなるということはありません。

ただ、久しぶりに出会った大学の同級生に「今何してるの?」と聞かれると、なんて答えれば良いのかわからない時がある。

「フリーランス」というと「何それ?」「派遣でしょ?」ってなる。それほどまだ薬剤師界隈においては「フリーランス」という言葉は無縁のようです。

 

どうやってフリーランスの薬剤師になるのか?その方法を解説

フリーランスのメリットデメリットを両方上げてきましたが(ちょっとデメリットが強すぎたか?)、そもそも「どうやってフリーランスの薬剤師になればいいのだろう」と思うかもしれません。

なんせフリーランスの薬剤師に会ったことがないのですから。当時の私も同じでした。

フリーランスの薬剤師と言っても、コピーライターや調剤薬局薬剤師などいくつかの職種があるのですが、このサイトには特に一般薬剤師の方が訪れているので、調剤薬局勤務の薬剤師フリーランサーになる方法を私の過去の経験を用いてご紹介しようと思います。

フリーランスの薬剤師になる方法とそのタイミング

複数の時計

結論から言いますと、フリーランスとして働くにはまず派遣薬剤師になるのが一番だと思います。

まず派遣薬剤師になって様々な企業(薬局)や病院へ行き、どこでも働くことができるという自信と、何より人脈・コネクションを広げます。

最初は1つの薬局にしばらくの間勤務することになると思いますが、慣れてきたら、様々な店舗、薬局グループを経験していきます。

配属先では仕事を全て率先してこなし、薬局に必要不可欠な存在になります。また、店舗スタッフ(薬剤師・事務問わず)と仲良くするように心がけ(八方美人がGOOD)、最終的に採用担当や社長とつながりを持つのが重要です。

すでに派遣薬剤師をしたことのある方なら経験していると思いますが、派遣先でしばらく勤務していると、頻繁に「正社員として働かないか」などと、採用担当や社長からお声がかかります。

当然、薬局としては費用のかかる派遣薬剤師を採用するより、正社員として働いてくれた方が助かるわけです。

 

ここが決定的なフリーランスになるチャンスになります。

 

仮に、派遣薬剤師として時給4500円で薬局で働いていたとします。

その場合、薬局側が派遣会社に支払っている料金は派遣料(この会社では2300円)を加えた、1時間あたり6800円となります。

すなわち、この金額より下回れば、薬局側からすれば少し安く薬剤師を確保できるということになりますね。

 

(派遣薬剤師)「薬局さんは派遣会社に時給6800円支払っているので、時給6000円でいかがですか?もちろん個人事業主として働くので、社会保険などは必要ありませんし、業務委託なので御社の消費税の節税効果は継続します。どちらもwin-win になるかと思います。」

これはざっくりと要点だけをまとめていますが、何よりお互いにメリットがあることをしっかり伝えることが重要です。(少し馴れ馴れしい気もしますが、それまでに良好な関係を気づくことが重要。実際の会話はもうちょっと長いです。)

ちなみに、win-winと言っても、薬局側としては正社員として薬局にきてくれた方が助かるわけで、もちろん交渉も上手くいかない場合もあります。

 

この発想は、派遣薬剤師でしばらく働くと自然と出てくる考えだと思います。

ただ、薬剤師に関する法律とかあまりわからないし、リスクもあるし、実行に移せない。

フリーランスらしき働き方を閃いた薬剤師はたくさんいるど、実際に行動にしていない、そんなところじゃないかなかと思います。

 

フリーランスの交渉を成功させる 私の経験と考えから

ビジネスマンが交渉成立の握手をしているところ

薬局経営者から見て、薬剤師に一番求めているのは何でしょうか?

薬学的知識でしょうか。マネジメント能力でしょうか。身だしなみでしょうか。

それとも容姿でしょうか。

もちろん経営者によって何を求めるかは異なりますが、

高額でもいいから派遣薬剤師を募集する薬局の経営者が求めているものは『人材』そのものです。

薬局内のスタッフに辞めて欲しくないんです。

 

薬剤師求人サイトを見ていますと、時々、派遣薬剤師でかなり高額な金額を提示する薬局があると思います。

都市部で薬剤師人口がいっぱいいるはずなのに、そういう一際目立った金額で募集する薬局って、何かしら問題があることが多いです。

人がすぐにやめてしまう何かが。

もちろん、予定外の産休や引っ越しによる欠員などもありますので一概には言い切れませんが、やはり人間関係が問題で人が残らないということはこの薬剤師業界結構多いと思います。

しかし、フリーランスで高額報酬を狙う薬剤師にとってはこれがまさにチャンスです。

この限りなくマイナスに近い働くのが苦痛な職場環境をプラスに好転させた場合、経営者はどのように感じるのか。

経営者は是が非でも、その派遣薬剤師に薬局で働き続けて欲しいわけで、ここで絶好の交渉のチャンスが生まれます。

薬局経営者は薬局内の悪い雰囲気を良い雰囲気に変えてくれるような薬剤師は喉から手が出るほど欲しい人材。

つまり、ただ知識があってなんでもできる薬剤師というだけではなく、プラスアルファで人の心を動かす力のある薬剤師がフリーランスとして重宝され、薬局側から可愛がられることでしょう。

 

派遣+フリーランス薬剤師 2つのメリットを生かす働き方

2人の薬剤師が薬局窓口で笑顔で立っている

当記事の「フリーランスの薬剤師になるデメリット」でもご紹介しましたが、フリーランスでは社会保険の面で少し損をしていたり、福利厚生を受けられないデメリットがありました。

これらデメリットを払拭しつつ、フリーランスのような高額の報酬を受け取る方法が「派遣薬剤師+フリーランス薬剤師」という2刀流の方法です。

 

まずは派遣薬剤師の社会保険について考えます。

社会保険の加入には、勤務時間、勤務日数、雇用期間、企業規模(従業員数)などにより、加入対象かどうかが変わってきます。

会社規模で分けると、

  1. 週30時間以上お仕事ラボなど
  2. 週20時間以上ファルマスタッフ など

*変更する場合がありますので、現在の状況については担当コンサルタントに確認

以上の勤務時間を満たし、所定日数勤務すれば、派遣会社に所属して社会保険に加入することができます。

細かいところに関しては今回説明を割愛させていただきますが、もちろん有給休暇や育休産休などの福利厚生もつきますので派遣薬剤師のメリットは大きいです。

 

仮に、週20時間以上勤務することにすると、週2+半日で派遣薬剤師として働くことになります。

1日8時間1週間にだいたい5日間働くのを目標として、残りの2日をフリーランスとして働けば、週4.5日勤務(週休2.5休になり、派遣薬剤師のメリットである社会保険(厚生年金、健康保険、介護保険)、雇用保険、労災保険、有給休暇、育児産休、その他福利厚生などがつき、さらに、フリーランスのメリットである高い報酬と、節税対策も可能となります。

ただし、派遣会社をもし退職した場合、あくまで個人事業主であるので、仕事は継続しているとみなされ、失業保険は給付されません。その点に関して注意が必要です。

 

派遣薬剤師はフリーランスへの第一歩

これまで、フリーランスの薬剤師をするにあたって様々なメリットやデメリット、なる方法をご紹介してきましたが、結局はまず派遣薬剤師として薬局の全体像を把握し、人脈、そして協調スキルを磨くことにあると思います。

派遣薬剤師のサポートを行い全国展開する会社には、ファルマスタッフ アプロ・ドットコムファル・メイトなどがあります。

当サイトでも『派遣薬剤師』(マンガ会話調に)についてまとめられたページがありますのでぜひ参考にしていただけたらと思います。

 

フリーランスの薬剤師になったらすること

ここから先はもしフリーランスの薬剤師になったら確認していただきたい内容です。

パソコンで税務処理

フリーランスの薬剤師になったら、行った方がいいことがいくつかあります。中には必ずする必要のないものもありますが、税制面で得したり、自分を守ることにな繋がります。

開業届、青色申告申請を行う

フリーランスになったら開業届と青色申告の申請書を税務署に提出しましょう。

もちろん白色申告でも経費の申請はできますし、不利益を感じることはあまりないのかもしれませんが、青色申告にすると年間65万円の控除が受けられたりと節税効果が高いです。

白色申告と青色申告の違いは今回は割愛しますが、近年の会計ソフトの発達で簿記の知識はほとんど不要になったので、開業届を提出し、青色申告申請した方が税制面でお得です。

個人事業の開業届と青色申告の申請書はそれぞれ国税庁のホームページよりダウンロードできます。

各書類のダウンロード

 

薬剤師賠償責任保険に個人加入

病院や薬局に勤めると必ずといってもいいほど加入する『薬剤師賠償責任保険』。

これは、病院薬局問わず、薬剤師業務(調剤や服薬指導)に起因して発生した事故において賠償責任が生じた場合の賠償金に対して保険金を支払う制度ですが、企業の場合は施設ごと、派遣会社は個人で加入している場合がほとんどです。

ただし、注意して欲しいのが、加入する保険(いくつかの保険会社が提供しています)の種類によって対象となる薬剤師が変わってくることです。

もし、フリーランス契約をした場合、自分がその施設の採用する薬剤師賠償責任保険の対象になっているか担当者に確認しましょう。もし対象となっていなかった場合は、『個人での契約』で加入すべきです。

費用負担がかかりますが、大きい金額でもなく、もちろんこれはフリーランス活動の必要経費となる部分です。また、個人契約であればどんな施設で働いても保証は受けられるので利便性は比較的高いと言えます。

東京海上日動の保険料は年間数千円と割安なので、フリーランスで活動するにはお勧め。詳しい内容は直接お問い合わせください。

東京海上日動カスタマーセンター:0120-868-100(9時〜20時)

 

年明けに確定申告をする

前述でも説明しましたが、一般的に自営業やフリーランスは事業所得にあたり、所得が年間38万円を超えると確定申告が必要です(会社員や派遣社員でダブルワークで別に収入を得ている場合は20万円以上)。

近年では会計ソフト『freee』『やよいの青色申告オンライン』の進歩により、青色申告の帳簿作成が非常に簡単になっています。

今後フリーランスとしてご活躍されるのであれば、1年無料体験版もあるので始めておいた方がいいです。

ちなみに初めは青色申告が可能なもっとも安いプランで良いと思います。どちらのソフトでも良いと思いますが、私の場合はコスパを考えてやよいの青色申告オンラインを使っています。こちらにして正解だったと思っています。

 

自己啓発を継続する

フリーランスになると、会社からの指令や勉強会など受動的に何か勉強する機会が無くなります。

契約する薬局によっては一緒に勉強会に参加することなどもありますが、基本的にはフリーランサーは能動的に今学ぶべきものを見つけ、勉強をしなければなりません。

時代の流れというものは実に早いもので、継続して様々な情報やスキルをアップデートしていかないと、いつのまにか社会に役に立たない人材となっているかもしれません。

したがって、ただ自由になりたいというだけでなく、常に自己啓発を行える薬剤師がフーランスに向いているかもしれません。

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