薬剤師が都道府県をまたいで勤務(転職・派遣など)する際に必要な届出手続き




UターンやIターンもしくは会社の都合で、現在勤務されている都道府県から別の都道府県で勤務する際には「保険医療機関及び保険薬局の指定並びに保険医及び保険薬剤師の登録に関する省令第12条第2項」に基づいて所定の変更手続き(届出)が必要です。このことは薬剤師国家試験(薬事法規)の試験範囲でもあるため、うっすらと記憶にあるかもしれません。

これは勤務先や派遣会社側が労働者の代わりに手続きを行ってくれる場合もありますが、行ってくれない場合は自分で行う必要があります。

この記事では、保険薬剤師が都道府県をまたいで勤務(転職・派遣)する際に、保険薬剤師登録の変更の届け出手続きが必要な場合と、必要ではない場合を解説し、もし必要な場合は何をすべきなのかをまとめましたので、もし該当する方は参考にしていただけたらと思います。

 

都道府県をまたいで勤務するとき
保険薬剤師の変更の届出手続きが必要な場合はどのようなとき?

基本的に保険薬剤師が保険薬剤師登録をしている都道府県をまたいで勤務する場合は、管轄する事務所変更などの届出手続きをする必要があります。

ただし、『主として勤務する薬局があり、単発や数日単位での応援や派遣で、別の都道府県で勤務する場合』はこの届出手続きをする必要はありません。(ただし、店舗それぞれで「勤務薬剤師」の登録は必要です。下記参照)

例として、厚生局に届出をしている「東京都」の薬局にて主に勤務をし、「千葉県」で応援要請があった場合や単発で派遣業務を行う場合、保険薬剤師登録はそのままで、「千葉県」でも保険薬剤師として勤務が可能です。さらに、「東京都」(関東信越厚生局管轄)と「沖縄県」(九州厚生局管轄)というように、管轄を越えてかけもちすることも可能です。

このように、主として勤務する保険薬局で保険薬剤師登録を行えば、ものすごい短期の勤務であれば、都道府県をまたいで薬剤師業務を行うことは可能です。ただし、応援先及び派遣先の都道府県での労働時間が、厚生局に届出している都道府県での労働時間を超えないように注意しなければいけません。

また、保険薬剤師の登録手続きの他に、新しく勤務する店舗での勤務薬剤師の変更の関する書類を厚生局と保健所に提出する必要があります。(後ほど簡単に説明します)



保険薬剤師が都道府県をまたいで勤務した際の届出手続き方法

前述とは異なり、長期間にわたって別の都道府県の保険薬局で勤務する場合は、所定の届出手続きが必要です。

また、この届出手続きは管轄する厚生局内の都道府県で移動するか、管轄を越えて移動するかで提出する書類は異なります

  1. 同じ厚生局管轄内の都道府県で勤務する場合
  2. 異なる厚生局の管轄で勤務する場合

現在勤務する保険薬局がある都道府県はどの厚生局管轄なのか、移動先の職場がある都道府県はどの厚生局管轄の都道府県なのかをまず確認しましょう。(管轄する厚生局の振り分けはページ最下部に記載しています

 

1.  同じ厚生局管轄内の都道府県で勤務する場合

例えば、同じ関東厚生局内の「東京都」から「千葉県」などに勤務薬局や住所を変更する場合などを例にします。

この場合は「保険医・保険薬剤師の登録に関する管轄地方厚生(支)局内の管轄事務所等変更の届出」を現在働いている厚生局事務所(東京都の場合は関東信越厚生局の東京事務所)に提出することになります。

様式は、各都道府県厚生局のwebサイト内にてダウンロードすることができます。(各リンク先はページ最下部に記載

webサイト内にある記載例を参照にして作成し(印鑑を忘れずに!)、保険薬剤師登録票の原本を添付して、厚生局事務所に提出します。これは窓口に直接提出しても、郵送でもOKです。

これで、手続きは終了となります。

後日、転出先の厚生局事務所から新しい保険薬剤師登録票が郵送で送られます。

もし保険薬剤師登録票を紛失した場合は、「登録票紛失届(理由書)」を添付するか、「保険医・保険薬剤師の登録票再交付申請書」を先に提出して再発行する必要があります。これらは同じく各都道府県厚生局のwebサイト内からダウンロードできます。

提出期限

提出期限は「速やかに」とされています。

 

2.  異なる厚生局の管轄で移動する場合

例えば、関東厚生局内管轄の「東京都」から九州厚生局管轄の「沖縄県」に移動する場合などさします。

この場合は「保険医・保険薬剤師管轄地方厚生(支)局長変更届」を転出の都道府県の厚生局事務所に提出することになります。参考例の場合は東京都なので関東信越厚生局の東京事務所に提出します。(北海道の場合は「保険医・保険薬剤師住所変更届」が提出書類になります。)

様式は、各都道府県厚生局のwebサイト内にてダウンロードできます。(各リンク先はページ最下部に記載

webサイト内にある記載例を参照にして作成し(印鑑を忘れずに!)、保険薬剤師登録票の原本を添付して、転出前の都道府県管轄の厚生局事務所に提出します。これは窓口に直接提出しても、郵送でもOKです。

これで、手続きは終了となります。

後日、転出先の厚生局事務所から新しい保険薬剤師登録票が郵送で送られてきます。

*もし保険薬剤師登録票を紛失した場合は、「登録票紛失届(理由書)」を添付するか、「保険医・保険薬剤師の登録票再交付申請書」を先に提出して再発行する必要があります。これらは同じく各都道府県厚生局のwebサイト内からダウンロードできます。

提出期限

提出期限は「10日以内」とされています。



『勤務薬剤師』の登録は各薬局ごとにしなければならない

前述した『保険薬剤師の登録手続き』とは異なり、勤務薬剤師の登録は短期・長期に関わらず勤務する薬局それぞれにおいて登録し、所定の書類を管轄する厚生局と保健所に提出する必要があります。

ただし、これは雇用する会社・開設者側が行うべきことであるので、従事する薬剤師は基本何もしなくてOK。会社によっては管理者が代わりに行ったり、卸業者の開業サポート部署などが行ってくれる場合もあります。

提出期限

提出期限は「30日以内に」とされています。(すなわち、後出しOKということです。)

 

各都道府県管轄の厚生局一覧

管轄の厚生局に対応する都道府県は以下のようになります。申請に必要な書類は以下のリンク先よりダウンロードできます。

北海道厚生局
北海道

東北厚生局
青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県

関東信越厚生局
茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県

東海北陸厚生局
富山県、石川県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県

近畿厚生局
福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県

中国四国厚生局
鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県

四国厚生局
徳島県、香川県、愛媛県、高知県

九州厚生局
福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県



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