薬剤師求人時給5000円は本当なの? 派遣薬剤師の本当の給与を教えます

間的に薬剤師の給料は高いとは思われがちですが、皆さんは今の給料に満足していますか?

一般的な勤務薬剤師の年収はおよそ400〜700万円と言われていますが、もしそれ以上の報酬をもらっているとしたら、それは給料面では勝ち組かもしれません。

しかし、さらにその年収を大きく超える年収1000万円以上の薬剤師が全国に存在しているのはご存知でしょうか。

 

事実、当編集部協力者の中にも20代ですでに年収1000万円を超えていた勤務薬剤師がいます(経営者でも管理薬剤師でもありません)。

この記事では、噂だけではない、事実に基づく情報で、「時給5000円をもらう薬剤師は存在するのか」「年間でどのくらい給与をもらっているのか」「年収1000万円を超える薬剤師は存在するのか」を検証し、わからないことも多い派遣薬剤師の実際を探ってみたいと思います。

 

薬剤師求人サイトに掲載されている時給5000円の求人って本当に実在するのか

時給5000円だとついに年収1000万円を超える

(ドタドタ・・・・・ガチャ)

教授!
おっと、サヤカさんどうされました?ずいぶんと慌てていますね。
いまネットで転職サイト「薬キャリ」に掲載されている薬剤師求人を見ていたらこんな求人を見つけたんですけど・・・

なんかいまいち信じ難くて・・・だって時給5000円なんですよ!?きっと間違いですよね。

出典:薬キャリ

時々こういった求人見かけますよね。メルマガで入ってきたり、ときにgoogle 広告で表示されたりと。
とりあえず、これがもし本当に時給5000 円だったとしたら、1日8時間労働で・・・1ヶ月に20日働いたとして・・・
年収1000万円です!!!(ドーーーン!)

例)時給5000円 × 8時間 × 20日 × 12ヶ月 = 年収 960万円となります。

 

さらに、もし就業者が「残業可能」として残業した場合、これに加えて時給の1.25 倍の残業代が支給されます。

もし、1日30分〜1時間程度残業したとすると、月10〜20時間残業することになるので、年収は1,110万円となりますね。

この計算だと年間休日は120日で、もちろん有給休暇も別途でつきますよ。

えーーーーっ!!!
年収1110万円って今の私の給料の2倍もあるじゃないですかぁ〜〜
(残業時間も私の方が多いし・・・)
僕なんて3倍ですよ〜〜
みなさんの年収の2、3倍の額にもなると、なかなか信用できないかもしれませんね。でも、実際にこういうケースは少ないのですが存在するんですよ。

例えば、今実際に、薬キャリで検索してまみすね。公開求人*ですら時給6000円の募集が出てくるんですよ。

公開求人とは求人サイトに掲載され、誰でも見ることができるような求人を指します。

補足
もし薬剤師求人サイトで「時給」をもとにキーワード検索する際には、「時給〇〇〇〇円」ではなく、「時給〇,〇〇〇円」(カンマを入れる)と検索してください。前者ではキーワード検索でヒットされません。また、ご利用の求人サイトによって全角でも検索できる場合と、半角でなければ検索できない場合などがあるので注意。
(例:時給5000円ではなく、時給5,000円と記入する。)

 

時給6000円!?本当にそんなにもらっている人いるんですか?私の周りでは全く聞いたことありませんけど・・・

不動産屋のwebサイトみたいに、とりあえず目の引く薬剤師求人を掲載しているのではないですか?

(ずいぶん疑っているな・・・)
実際にそういう薬剤師が私の知人にいると言っても納得してくれませんよね。

わかりました。では、時給5000円出す薬局は本当にありえるのか「調剤薬局の収益」から少し検討してみましょうか。

 

薬局の利益から考える!その薬局は時給5000円を出せる薬局なのか

 

早速ですが、サヤカさん。時給5000円で薬局は経営していけると思いますか?
そりゃぁ、1人の薬剤師にこんなに給料支払っていたら薬局は全然儲からないし、そのうち潰れてしまうと思いますよ。
・・・確かに、そう思うのも無理はないですね。派遣薬剤師を依頼するにはものすごく費用がかかりますからね。

 

例えば、

時給5000円で派遣薬剤師に勤務してもらうとすると、薬局側は1時間7000〜9000円程度の費用を派遣会社に支払うことになります。この派遣料金の設定は派遣会社の規定によって異なります(派遣会社の仲介料に関しましては、以下の記事で紹介しています)。

仮に、派遣料金1時間7500円で、1日8時間で1ヶ月20日勤務すると、薬局側は派遣会社にひと月120万円も支払うことになります。

この120万円から給料として派遣薬剤師に80万円支払われ、残りの40万円は派遣会社側の利益になりますが、一部は雇用者の各種保険(厚生年金、健康保険など)の会社が負担する分などに使用されます。

 

1ヶ月に120万円も負担しているんですか!?これだと、薬局は大赤字じゃないですか!
う〜ん、果たして本当にそうなるでしょうか。
えっ・・と言いますと?
サヤカさんは自分が働いている薬局の収益がどのくらいかを考えたことはありますか?
一応管理薬剤師なので、毎日売り上げの記録はしてはいますけど・・・細かい内容は把握していませんね。
薬局を経営する上で、様々な経費が発生するのはもちろんですが、

ここはまずものすごくシンプルに、ひと月当たりの「調剤技術料」「薬学管理料」「薬剤料」に注目してみましょう。

調剤技術料と薬学管理料と薬剤料?
そう、その3つです。この3つのうち、「調剤技術料」と「薬学管理料」については、

処方箋を応需して薬剤師としての業務をしっかり行えば、その全てが薬局の純粋な利益になりますよね?

一方で「薬剤料」に関しては、もちろん全てが薬局の利益にはなりません。

卸業者からの納入価と薬局から患者さんへ販売価格(いわゆる薬価)の差から、薬局側に純粋な利益が生まれますよね。

これらを念頭に置いて、以下の薬局がどのくらい利益が出ているのか見てみましょう。

このデータは沖縄県にある実際の薬局の調剤報酬集計表の抜粋です。(わかりやすくするため、10万円単位にしています。)ちなみに、在宅医療はしていません。

 

調剤報酬(3月)
調剤技術料+薬学管理料 450万円
薬剤料 550万円
保険総合計 970万円
薬局の情報

従業員:薬剤師2人、医療事務2人

調剤技術料
調剤基本料1:41点
(+後発医薬品加算3:26点)
調剤料
調剤料の加算(+時間外加算、一包化加算など)

薬学管理料
薬剤服用歴管理指導料:41点もしくは53点(初回、手帳なし)
乳幼児服用指導加算:12点など

 

消費税は10%になり薬価差益はほとんどなくなってきましたが、仮に、薬剤の薬価差益率が8%程度と見積もっても薬価差益は44万円となるので、保険調剤におけるひと月の純粋な利益はおよそ500万円(調剤技術料+薬学管理料+薬価差益)です。

これらから、人件費(薬剤師1人+事務2人)、家賃、レセコンのリース代など様々な経費をどんどん差し引いても、あと1人の薬剤師を雇うために派遣会社に120万円支払う余力は十分にあるのは明らかですね。経営者が店舗に入って勤務していたらなおさらです。

薬剤師2人の店舗でひと月500万円って・・・薬局ってそんなに利益があるんですね。
薬局は儲けに走ってはいけないとは思いますが、この薬局は実にうまく経営できている薬局です(むしろ処方箋枚数に対して人が少ないのが気になりますが)。

なかには、全然売り上げが伸びずギリギリで経営している薬局や在宅医療で利益を伸ばす薬局などいろんなタイプがある。

今回は、わかりやすく説明するために、あえて薬剤師少人数体制の利益のある薬局を例にあげましたが、もっと大人数体制の大規模な薬局になると、薬局の利益率はさらに大きくなります。
要するに、時給5000円などと金額を高く提示するような薬局は金銭面ではかなり安定している。

薬局側が時給5000円で派遣薬剤師を受け入れても薬局の経営上は問題ないってことなんです。

したがって、「薬キャリ」や「ファルマスタッフ」で募集している時給5000円や時給6000円はそれほど驚く話ではありません。

薬局側は十分運営でき、時給5000円で雇う儲けがある。とりあえず人材が欲しいだけなのです。

 

人件費がかかっても運営していくメリットが大きすぎるってことなんですね。

時給5000円・・・、少し気になってきちゃいました。検討してみようかしら。

(・・・当然、時給高い薬局は忙しいんですけどねぇ)

 

僻地で勤務?時給5000円で派遣薬剤師を募集する地域

 

そういえば、少し気になっていることがあるのですが・・・
何でしょう?
先ほどの「薬キャリ」に掲載されている派遣薬剤師求人が、かなり田舎にあるような気がするのですが・・・

ファルマスタッフで探してみても同じで、時給5000円の募集はみんな田舎の薬局ばっかり。

 

出典:ファルマスタッフ

 

噂には聞いたことがあるのですが、ド田舎は給料が高いっていう・・・
いいところに気づきましたねえ。ほとんど正解です。
ほとんど・・・とは何でしょう?
田舎は田舎でも、大学の薬学部が近隣にある地域や、人気のリゾート田舎だけど比較的交通の便が良い所などは時給が極端に高くなることはほとんどありません。

もちろん、先ほど説明したように経営的に時給5000円以上を出せる薬局に限定されます。

以下に、時給5000円以上で薬剤師募集を行っていた薬局をピックアップして都道府県別に振り分けたので参考にしてください。

 

時給5000円以上の薬剤師募集がある都道府県

派遣の取り扱いがある大手薬剤師求人検索サイト3 社より抽出(平成30年8月1日時点 離島薬剤師どっとこむ沖縄作成)
抽出されたデータには週1日勤務などの単発求人や時短求人は含まれません。(n=29)

 

昔から、東北の山形県秋田県、中部では静岡県近辺が慢性的な薬剤師不足に悩まされて高額な募集が多いと言われていましたが、最近では震災復興中の福島県あたりも高額で募集することが多いです。
なるほど。やっぱり私が行ったこともない地域ばかりだわ。

こう見ると、日本全国で薬剤師は不足しているように感じますね。

うむ。また、今回抽出した公開求人は日々更新されています。

条件が良い求人なんかは求人サイトに公開される前に、サイト登録している転職希望者に提供されます。だから、実際にはもっと時給5000円の求人がある可能性があります。

つまり、時給5000円のような高収入を狙う他の剤師たちと同じラインに立つには、まず転職サイトに登録する必要があることを忘れないでほしいですね。

ちなみに、私が派遣薬剤師をする際にオススメしているのが、日本調剤グループ運営の「ファルマスタッフファル・メイト」。

なぜオススメしているかはまた別の機会に詳しくご紹介するとして、無料なのでまずは登録した方が良いでしょう。

さらに、今回調査した時給5000円以上の公開求人はそれぞれ掲載されている薬局が異なっていたので、保有する非公開求人も異なると考えられます。

したがって、「ファルマスタッフ」「ファル・メイト」の両方登録することで、たくさんの求人の中からより良い求人を選ぶことができるでしょう。

 

現状維持にちょっと待った!都会にも高額派遣求人は実は存在している

田舎を中心に派遣薬剤師の時給が高くなる傾向にあることがわかってきましたが、高時給を得るために、転居を伴って急に田舎へ行くのは少々難しいかもしれません。

もし、ムーミンに登場するスナフキンのような自由気ままな薬剤師であれば、それも可能とは思いますが、都会に住むほとんどの薬剤師は難しいのが現状です。

 

時給5000円のような高時給求人は本当にあるってことはわかったのですが、やっぱり田舎に行くのはやっぱりちょっと考えますよね。

結局私は、このまま現状維持で働いていかなければならないんですね。

諦めるのはまだはやい!

時給5000円はちょっと難しいと思いますが、都会にもハイクラスな派遣薬剤師求人はいっぱいありますよ。

ほんとですか!
・・・ただ、便利な都会であるにもかかわらず高い時給を出すのにはそれなりの理由がある。
なんかしら理由があるんですね・・・

当然です。田舎と違って都会には薬剤師はたくさんいますからね。

働きやすい職場はどんな業界でも退職者がなかなか現れません。いつも募集があるのは定着が悪い理由がある薬局です。

 

都市で高額な派遣求人が出やすい薬局
  1. 都市でも実際は駅からものすごく離れている薬局(駅から徒歩30分以上など)
  2. 人間関係が破綻している薬局
  3. 新規オープンしたばかりでとりあえず人員を調整したい薬局
  4. 営業時間が極端に少ない薬局

 

もちろん、想定外の急な退職や産休などでどうしても臨時で労働者が欲しい場合などはこの限りではありませんし、たまたま条件の良い掘り出し求人が出てくることだってあります。
特に、② の人間関係が破綻している薬局などはなかなか厄介なお局様がいることが多いですよ。

同じ薬局グループの他店舗からも応援にきてくれないため、外から高額で募集をせざるを得ないんです。

そういう店舗ありますよね。そういうお局さんは裏で「〇〇薬局の四天王」とか呼ばれていたり(笑)
・・・。
・・・コホン。ただ、そのお局様を見事攻略できるような力量・魅力があれば、薬局を運営するオーナーからかなり重宝されます。いわゆるスーパー派遣薬剤師ってところですかね。

ゆくゆくは派遣先の薬局からスカウトされて高額で正社員として歓迎されることもあるんです。

そんなこともあるんですか!?
こうやって大手薬局でコツコツと役職を上げていくより、実にはるかに速いスピードで年収1000万円に達することも可能です。もちろん少数ではありますが、私は実際にそういう薬剤師を見てきました。ただ淡々と働くだけでなく行動することが重要です。
まずは行動することが大事なんですね。

 

派遣薬剤師に年齢は関係なし!派遣薬剤師という働き方にトライ!

 

あれっそういえば、派遣薬剤師って薬剤師の経験はどのくらいからできるのだろう。
若い薬剤師が気になる質問ですね。

一般的に、派遣薬剤師に対して調剤経験3年以上を希望するクライアント(薬局)が多いですが、なかには薬剤師歴2年目から派遣薬剤師となる人もいます。(もしかしたら全国のどこかで1年目から派遣薬剤師になる人もいるかもしれません。)

ただ、短期間で活躍できる人は、誰よりも勉強をし、普通の勤務薬剤師より圧倒的に知識がありますし、地頭も良い。(逆に残念な薬剤師ももちろんいます。)

 

実際、当編集部協力の薬剤師の中にも20歳代ですでに月収100万越え(年収換算1200万円越え)のスタッフは存在しました。しかも何時間も残業しているわけではなく、月に数時間程度の残業で、有給もあり、福利厚生も充実していたようです。

 

し、今の職場に不満があったり、拘束されずに自由に働きたい気持ちあったり、たくさんのお金が必要な場合、思い切って派遣薬剤師という形態に挑戦してみるのも良いかもしれません。

なお、派遣薬剤師に年齢は問われません。

新卒2年目に派遣薬剤師として活躍している人もいれば、60歳代で派遣薬剤師になった人もいますし、同じ会社内で数年間派遣を続けているとのこと。

出産後に効率よく収入を得るママ薬剤師もいます。

これまでたくさんの派遣薬剤師を見てきましたが、じつに年齢層はバラバラです。

 

 

時給5000円の派遣薬剤師は存在する

年収1000万円越え薬剤師は存在する

 

 

インターネット上のブログなどを見ていると、これら高条件の募集に対して疑いを持つ人もいくらかいらっしゃいます。もちろん案件は少ないです。うわべだけの憶測で実際を知らないのでしょう。
もちろん、問い合わせた時には既に募集が終了していることだってありますし、わざと時給の幅をもたせて(例:時給3,000〜5,000円など)求職者に食いつかせている例もあります。
しかし、私は実際に時給5000円で働いてきた人をよく知っていますし、当サイト編集部の中にも時給6000円で働いたことのある薬剤師だって存在します(派遣ではなく、直接雇用ですが。)。したがって、これらの時給5000円薬剤師は存在するという説は間違いなく正しいことを私が断言しますね。

 

いきなり時給5000円というのは少し難しいかもしれませんが(もともと少なすぎるので)、調剤経験が浅くても時給3000〜3500円程度の募集でしたら非公開の求人でたくさん紹介してもらえるでしょう。(参考:時給3500円で8時間勤務で年収700万円程度になります。)

皆さんも「派遣薬剤師」という新しい選択肢に挑戦して見ませんか?

ファルマスタッフ
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