派遣薬剤師についてわかりやすく解説

こちらのページでは、近年、少しずつ増加している「派遣薬剤師」について解説しています。

そもそも派遣薬剤師とは何なのか。その仕組みは。なぜ流行っているのか。年収は実際どのくらいになるのか、など。

わかっているようで詳しくはわからなかった派遣薬剤師を知っていただけたら幸いです。

 

働者派遣というのは、派遣元事業主(派遣会社)が自己の雇用する労働者(あなた)を、派遣先(派遣先薬局)の指揮命令を受けて、派遣先のために労働に従事させることをいいます。すなわち、派遣薬剤師の所属は派遣会社であるが、実際勤務をしているのは別会社ということになります。

次のような三角関係が特徴となります。

 

このとき、派遣会社と派遣労働者(あなた)との間に雇用関係があり、派遣元(派遣会社)と派遣先(派遣先薬局)との間に労働者派遣契約が締結されています。

東京都労働相談情報センターホームページ 参照一部改変(H29, 5, 27 現在)

簡単に言いますと、薬剤師のあなたは派遣会社の一員であり、その登録している派遣会社から給料が支払われます。健康保険料や厚生年金保険料の一部負担金、有給などもこの派遣会社から支払われます。(ただし、有給や各種社会保険料などの一部負担は、ある決められた日数働かなければ負担されないので、詳しくは担当のキャリアコンサルタントにご確認ください。)

 

なぜいま派遣薬剤師が流行っているのか

なさんの周りの薬剤師で急に時間に余裕ができたり、お金使いが荒くなったりした人はいませんでしょうか?

私の店舗に来ている「派遣」とはいったいなんなのか。時給はどの程度もらっているのだろうか。

 

薬剤師として数年間(早い人では1年間経たずに)経験を積んだ後、派遣薬剤師として活躍する人が増えてきています。これは、2000年の労働者派遣法の規制緩和によって薬剤師の派遣が認められ、薬剤師の働き方に幅が広がったことによるものです。

どこで働くか(勤務地)、一日どれくらい働くか(勤務時間)など、あなたのライフスタイルや人生設計に合わせて仕事が選べるのが、派遣のワークスタイルの魅力。また、さまざまな職場を経験できるのも正社員ではできないメリットです。

いまかしこく働く派遣薬剤師が急増しているのは、以下に示した「派遣薬剤師の3つのメリット」がその理由だと考えられます。


派遣薬剤師の
メリット

 

働き方が自由自在

勤務地に関しても勤務時間に関しても自由に調整することが可能です。月に1日程度の単発派遣の方から、週5日以上で働く方などさまざまな形で勤務が可能です。趣味や習い事、育児があったりと自分の時間を大切にしたい人にとっては非常に働きやすい環境です。


正社員では考えられない高い給与

派遣社員が正社員と同程度の時間勤務すると、年収は正社員のおよそ1.5倍になると考えられます。薬剤師としての責任はありますが、管理薬剤師のような責任もないのにこの給料は夢のようです。あまりに給料が違うため、派遣社員は正社員に対して自分の給料についてオフレコが決まりとなっています。

例)時給3500円 × 8時間 × 20日/月 + 残業20時間 (×1.25) = 7,770,000 円 (年収)

* 離島薬剤師.com の薬剤師の経験をもとに算出しています。(残業月20時間で年収500万円の正社員に対して)

 

正社員以上?手厚い福利厚生

各種社会保険(厚生年金、健康保険)の完備はもちろんながら、有給休暇制度(しかも消化しやすい)や定期健康診断を実施している派遣会社がほとんど。さらには、福利厚生サービスとしてスポーツクラブ、カルチャークラブや宿泊施設などの利用割引、その他優待サービスがある派遣会社もあります。

派遣社員はどうしても人材が足りない時に募集されるので、基本的に即戦力としての募集となります。また、処方内容にもよりますが、調剤より監査・投薬をお願いされることが多くなります。

 

「紹介予定派遣」ってなに?

剤師紹介支援サービスによっては、「紹介予定派遣」というものを行っている派遣会社があります。

この紹介予定派遣というのは、派遣先に直接正社員として雇用されることを前提としたうえで一定期間派遣社員として就業し、派遣スタッフと派遣先企業の双方が望めば派遣先企業の正社員になれるというシステムです。

自分自身で就職活動を行う場合と違い、就業に関して派遣会社のキャリアコンサルタントのアドバイスを受ける事が出来ます。経験豊富なコンサルタントに分析してもらいつつ、まずは派遣という形で入職することで正規社員になる前にじっくり職場の雰囲気や方針を判断することが可能です。

こんな人にオススメ 紹介予定派遣

  • 正社員として働きたいが、入社後にイメージと違っていたらどうしよう・・・
  • 派遣社員としてこれまで働いていたけれど、この企業の正社員になりたいと思いはじめた

 

派遣薬剤師に関する法律について

働者派遣は派遣法などをはじめいくつかの法令に基づいています。ご不明な点は派遣会社の担当キャリアコンサルタントにご確認ください。

病院への薬剤師の派遣は例外を除いて禁止

病院および診療所への派遣は、労働者派遣法により禁止されていますが、以下に該当する場合は施設への派遣が認められています。

病院薬剤師派遣の例外

  1. 紹介予定派遣の場合
  2. 産前産後休業、育児休業、介護休業を取得した労働者の交代要員である場合

 

日雇い労働者の派遣の禁止に関して

日雇労働者とは、「日々又は30日以内の期間を定めて雇用する労働者」のことです。2012年から日雇い労働は原則禁止となりましたが、例外として、以下に該当する方は短期での派遣就業が可能です。

日雇労働禁止の例外

  1. 60歳以上である場合
  2. 学校教育法で規定する学校の学生又は生徒である場合
  3. 生業収入(主たる業務の収入のこと)の額が500万円以上である場合 → すなわち、副業としてならOKということ!
  4. 世帯年収が500万以上の世帯で、主たる生計者以外の

 

離職した1年以内の労働者派遣の禁止に関して

派遣先は、当該派遣先を離職したものについて、離職日から起算して、1年を経過するまでの間は、労働者派遣の役割の提供の受け入れが禁止されています。したがって、派遣元事業主は上記労働者を当該派遣先へ派遣することを禁止されています。

くわしく解説

直接「正社員などとして雇用している労働者」を「派遣労働者」にきり換えることで労働条件の切り下げが行われないように、離職後1年以内は、派遣労働者として直近で働いていた勤務先で働くことを禁止した制度です。薬剤師に関して言えば、労働条件が下がることはあまりないので、大きく影響を受ける制度ではありませんが、派遣会社も雇用する側の勤務先も守るべき制度です。

ちなみに同一会社内の異なる店舗への派遣も同じ事業者に該当されますので禁止対象となりますが、グループ会社への派遣は同一事業者と見なされないので、禁止対象とはなりません

参考:派遣法、派遣法施行令、労働者派遣事業関係業務取扱要領

薬剤師賠償責任保険(個人責任保険)について

剤師賠償責任保険(個人責任保険)は、ほとんどの派遣会社で薬剤師全員に適用されていることが多いですが、登録した薬剤師派遣業の担当スタッフに確認すると良いでしょう。もちろん、1日のみの単発派遣の際でも、薬剤師賠償責任保険が適用されます。